14446470_1063365540444432_55186505_o翌日は朝から仕事だったから、残ってくれた仲間と乾杯だけして、帰ってすぐに寝た。

おかしな話だけど、みんなで物販を準備して、いざ開場だって瞬間から既に余韻は感じてて、それは俺にとって、俺達のイベントはいつも『始まるまでが本番』なんだって事を意味してた。

始まってしまえば、後はきっとお客さんと仲間が何とかしてくれる。俺達のライブの過ごし方ならもう十分に共有出来てるだろうって。

2010年の結成から今日まで、それを共有するまでの6年間だったんじゃないかって。終演後、誰もいなくなったフロアとステージに佇んで、とにかく無事に終えられた事に安堵した。


遅くなりましたが、我々ATATAのワンマンライブにご来場頂きありがとうございました。

初めてワンマンをした、2011年12月30日の新代田FEVERから、約5年が経過してました。今回も出演者はその時と同じ。

14455938_1063365560444430_1562259773_oLEF!!! CREW!!!とSTERUSS。もちろん楽屋も一つ(ホントはいっぱいあったんだけど。笑)。

『Star Soldier』のMVではその日の様子を今でも観る事が出来る。



今とあんまり変わらないな(笑)。

それでも変わった事があって、それは持ち曲が20曲に増えて、場所が少し大きくなって、全員の子供が2人から10人に増えた事(正確には一人お腹にいるから9人)。

そしてその子供達が、客席で綺麗な照明に照らされた父親達のライブを観てた事。

一番はこの5年間の間に、色んなバンドと共演して、色んなステージに立たせて貰って、多少なりとも経験し、成長した姿をファンに見て貰いたかった。

今回、『LIVE』じゃなくて、『SHOW』って名前にしたのは、そういう意味合いがあった。

現時点で出来る、自分達なりの『ショー』を見せたいなって。だから今回はあえてFEVERを飛び出した。

14454593_1063404360440550_213077082_n大好きなDESCENDENTSってバンドの『FILMAGE』って映画がある。

最後に彼等の子供達がステージに上がるシーンがあって、何年か前の俺だったら、そんな光景は絶対に外に観せたくなかった。

今ではそんなシーンが美しく映る。彼等みたいなバンドに成れたらいいなと思う。

ライフワークとしての音楽を選んだ以上、音楽のそばには家族がいる。生活がある。仕事がある。

今では、その全部が俺達にとっての『音楽』で、どれか一つ欠けても『俺達の音楽』にはならない。


正直、自分でも我が侭な一日だったと思う。ツアーのファイナルでもない。結成何周年の記念でもない。解散でもなければ再結成でもない。

『ただのワンマンライブ』。

そんなただのワンマンライブが、お陰様で満員になりました。

看板を掲げない代わりに、興味と期待に繋がるんじゃないかって思った事は全てやりました。

バンドが大きい会場でやるから助けて欲しいじゃなくて、いつも通り楽しんで欲しくて。

今日まで世話になったのは俺達の方だから。

全部開けっ広げにするけど、それでも俺達の世界観だけは強烈に知って貰いたかったっていうか。

だから我が侭だったと思います。筋は通して来たつもりだけど、このご時世に実はこんなにカスタマーサービス無視してるバンドいないんじゃないかって(汗)。

今回も付き合ってくれてありがとう。成功出来たのは楽しんでくれた貴方のお陰。

面倒臭いバンドだけど、これからも一緒に歳を重ねられたら幸せです。

14446540_1063487153765604_1598294973_o今でもみんなが手を上げてくれた景色や、暴動みたいなモッシュとダイブの光景や、泣き顔と笑顔を覚えてます。

名前も背景も知らない人が、目の前に沢山いて、俺達の演奏を食い入る様に観てくれてる。

こんな事が本当にあるんだって。今でも奇跡だと思ってます。

当日の様子はカメラマンのキム・リナのサイトに既にアップされてるので良かったら。

映像も残せたので、それをこれから確認して、来れなかった遠方の人の為にも、来るべき日に観て貰えたらなと思います。

そうだ、最初から分かってた事ではあるけど、チケットを買ってくれた人で、やっぱり当日来れなかった人がいました。

まだ何のアイデアもないけど、もぎられていないそのチケットは、大事に取っておいて下さい。納得しての事だろうけど、お金だけ貰う訳には行かないので。


そんな感じです。当日は朝起きて、窓の外の土砂降りの雨に、26年のバンド人生で、初めて絶望という言葉の意味を知りました(笑)。

雨は昼過ぎに止み始めて、物販を開始する頃には完全に上がりました。

テキーラの準備が終わって、外に出て、道玄坂から見上げた時の、雲の切れ間のに見えたあの青空は多分一生忘れないと思います。

最後に。

ベッドルームにある、この拙いアコースティックギターから産まれた俺達の音楽は、聴いてくれる人が現れた事で、やっと部屋の外に出る事が出来ました。

連れ出してくれてありがとう。迷わない様に手を握っててくれてありがとう。

また新代田FEVERで会いましょう。

14442556_1063365557111097_1268736766_n追伸。
なるべく断ったけど、それでも花輪や差し入れを送ってくれた仲間がいて、色んな人から『おめでとうございます』って声を掛けて貰う度に、『ああ、これが大きい会場でライブをやるって事なのか』ってやっと気付くという体たらくで(汗)。

何しろ自分の中では当日まで『ただのワンマン』だったし、今まで経験して来なかった事だったから、非礼もあったかと思います。

今更ながら、謹んで御礼申し上げます。有難う御座いました。

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