もう一週間が経とうとしている。金曜の午前中に出来るだけの仕事をして、空港に全員ギリギリで集合して、午後の便に飛び乗って沖縄に行って来た。
飛行機って乗り物は便利な反面、距離感が麻痺する。例えば沖縄なら、東京から機材車に乗って静岡を通り過ぎるくらいの時間で着いてしまう。そこがどんなに離れている街なのか忘れてしまう。
だから。いつも気になってしまう。『俺(達)、浮き足立っていないかな』。それだけがいつも気になる。
地元で仕事したり、子育てしてる仲間に、胸張って沖縄までライブしに行って来たぞって言えるかどうか。
週末の馬鹿騒ぎはいい。それがしたくて各地に行ってる。ただ、生活感っていうか、俺達と同じく、平日の昼間に働いてから来てくれた現地の人に届く様なライブがしたい。たまにしか行けないから歓迎してくれてとても嬉しいけど、ワーキングクラスヒーローでありたい。
着いてすぐに沖縄に渡った盟友、WSZ80 a.k.a LEF!!!CREW!!!(ユウスケ)と落ち合った。月が真ん丸の南の島で、屋台の沖縄そばを啜りながら、積もる話が山程あるけどそんなに時間はないから、お互い矢継ぎ早に捲し立てた。
沖縄一日目のライブ。主催者ハイナさん(DJ 817)のタイのダンスミュージックから、普段はビートダウンなハードコアばかりプレイしてるというDJ さきぽよのレゲトン(!)、地元沖縄のThe Hypesのライブ。どれも全然違う音楽なのにどれも混ざり合ってそれぞれが印象に残る。これが沖縄か。
そして本当に主催者しか知らなかったシークレットのMOROHA a.k.a ガッツ&ソウル。
突然ステージに現れて、思考が5秒くらい止まって、やっと我に返って、マジで何やってくれてんだよって(半分怒り気味で)。忙しいだろうに、そんな事してくれなくたっていいのに。共通の仲間を通じて、イベントを盛り上げる為にこっそり来てくれた。
彼等とはもう長い付き合いで、騙し騙され、時にはお客さんを巻き込んで一緒に騙して。普通に名前出せばいいのに、でもそれが面白いって笑い合える関係で。でも流石にここまでやられたらもうダメだ。倍返しは出来ない。お手上げ&完敗だ。
ホントは客人として招いて貰ってる立場だから、よそいきのライブをするつもりだった。現地の共演者といい感じに混ざったらそれでいいのかなって。でもMOROHAのお陰で(せいで)スイッチが入った。めちゃくちゃやってやろうって。多分そんなライブになった気がする。
仙手、MAVELのライブがとても良かった。沖縄のラッパーが好きってものあるけど、なんだか今時珍しいタイプの二人で。不器用でめちゃくちゃで。仲間と飲み過ぎて吐いた様なリリックと言葉がとても正直で。一気にファンになってしまった。
鳴り止まないDJ ATMのハードコア。煙草の煙と廻って来る酒とスピーカーの爆音。耳元で大声で交わす、たわいもない会話。久し振りのクラブイベントの雰囲気。最初から最後までジャンルはごちゃ混ぜ。味わいたかった音楽チャンプルー。
主催のユウスケとハイナさんどうもありがとう。最初から最後までひたすら盛り上げてくれてめちゃくちゃ楽しかったです。
嘘か本当か知らないけど、沖縄は飲んだ後の『〆のステーキ』ってのがあるみたいで、朝の5時にステーキを食べた。こっちだったら富士そば的な。郷に入れば郷に従えで、若い頃を思い出して最後まできっちり付き合った。
自慢出来る事なんて大してないけど、こういうイベントに出ても浮かずに混ざれる自分達の音楽活動はちょっと誇ってもいいのかなって。
翌日は美栄橋にあるユウスケのお店、『Record & Music Bar ON』へ。
横浜で生まれ育って、活動も横浜〜東京だったのに、まさか沖縄に移り住むなんて。でも実際に訪れてみて、理由が何だか分かった気がする。確かにここはいい街だ。
そのまま前回の沖縄で世話になった、INFORESTのボーカル、マコト君のハンバーガー屋さん、『MAVERICK』へ。
色々が規格外で驚いたけどめちゃくちゃ美味かった。お店の作りも洒落てて開放的でとても落ち着く。オススメです。
その後は各自バラバラに買い物したり散策したり。那覇の街はそんなに広くないから、モノレールと徒歩で十分回れる。
俺は赤土(AKAZUCHI)のDJ、4号棟君のレコード屋さん、『波の上MUSIC』へ
デンカはジャケ買い、俺は6月に会うspike shoesのヨネ君へのお土産を一枚。
そして沖縄二日目のライブ。大好きなOVER ARM THROWのツアーサポート。
今まで新代田、横浜とこの2バンドでライブして来て、久し振りに落ち合った場所は沖縄。
暑苦しくも、恩着せがましくも、言いたい事は全部言えた。この日のライブの目的は一つしかなかった。これからツアー最終3連戦を控える彼等にエールを送りたかっただけ。こんな俺達でも役に立てれたなら嬉しいし、ファイナルに向かって突き進む彼等の事を今日も想ってる。
なかなか予定が合わなくて、もしかしたらこのツアーに参加出来なかったかも知れなくて、唯一沖縄だけ予定が合った。
いつもOATのライブを観てて思う。彼等には古くからの強固なファンがいる。バンドに寄り添う様にして歳を重ねてる。あの頃のキッズも今や立派に社会人で、沖縄までの旅行費を稼いでる。ライブのついでに観光するくらいの余裕もある。素晴らしい関係だと思う。
ATATAの他のメンバーはOATとは古い付き合いだけど、新参者の俺が、同じバンドだからって偉そうに彼等と仲良くしてるのがたまに申し訳なく思う時がある。
俺がファンだったら受け入れられるかなぁって。バンドと交わるって事は、そのファンとも交わるって事だから。
出会ってから時間はまだ短いけど、俺にとってもOATは人生になくてはならないバンドだし、その歴史の中に関われて嬉しかった。
新代田じゃなくて、横浜でもなくて、沖縄で受け入れてくれてありがとう。
前回の沖縄も2回ライブしてすぐに帰ってしまったから、たまにはと翌日はずっと海にいた。観光もせず、本当にただ海にいた。ぼんやりと今までの事、これからの事を考えながら。
いつになるかまだ全然分からないけど、いつかまた行けたらと思います。今回はハイナさんとユウスケとキクちゃんと洋平君とエイジ君におんぶに抱っこだったから、今度はもうちょっと自分達でも責任を背負って。今回増えた新しい仲間と一緒に。そしたらもっと楽しくなると思うから。
その時はまたみんなで行こう。それまでにお金と時間を貯めてさ。沖縄やっけーよ。