熊谷の全盛期を俺は少しだけ知ってる。
信じられないくらい若いお客さんでVOUGE(現HEAVEN’S ROCK VJ-1)が満たされてて、みんな若いから信じられないくらい酒に飲まれてた。
酒で床が濡れてて、端の方では吐いてる子とかもいた。
どう考えても終電終わってるのに、深夜なのに営業してるモルタルの前で若い子達がたむろしてた。
ホルスタインチームはその頃について俺よりもっと詳しい。
リハ中にSTERUSSのベラマツから電話があって、山崎君に挨拶したいから横浜から遊びに来ると言う。
クライムも武士も来ると言う。
ならLAST DAYやろうよってなって、あのアンコールになった。
武士は熊谷に来る為にレンタカーを借りたらしい。
結果的に俺達の今年を振り返る様なライブになった。
PAのアソウ君は当初、大阪でNUBOのライブがあるから行けないって話だった。
ところがライブが終わり次第、熊谷に来るって言ってくれて、本番直前にホントに間に合った。
前田さんはBAYCAMPで初めて池谷が倒れた時に一番近くにいた人。
いつもの様にスッと楽屋に現れて、本番中は池谷の隣りで見守ってくれて、終わったらいつもの様にスッと居なくなってた。
山崎君はシャンパンを11本抱えて登場した。
俺達でウォッカを3本買って来た。
本番中にもお客さんからもテキーラやワインの差し入れがあったみたいで、終わったら酒瓶が25本空いてた。
余裕を持って終電に間に合わせようと急いでライブをやったのに、お客さんが全然帰ろうとしなかった。
階段や床が酒で濡れてた。酒の匂いが充満してた。でも吐いてる子はいなかった。
久し振りに会えた子達も沢山いた。
あの頃十代だった子、熊谷に行けばいつも会えてた女の子グループ。
みんな大人になってた。そりゃそうだ、俺も十分おっさんになった。
tomy wealthもcurveもskillkillsもte’もLEF!!! CREW!!!も文句なしにスゴいライブをしてた。
どのバンドもベストだったんじゃないかな。
企画者だからそう見えてるのかも知れないけど、少なくとも俺はそう思う。
実は今回程、共演者に悩んだTSOFはなかった。
最後だからって単純にお客さん入れればいいなら幾らでも入れられた。
モルタルってキッズ御用達って印象があるけど、実は山崎君の音楽的守備範囲は物凄く広い。
彼が唸る様な共演者にしなきゃ意味がない。
マニアックでかつ、初見の人でも興味が持てる最大公約数の面子。そしてその見せ方。
みんなどのバンドも楽しんでくれたみたいだ。終わった後に共演者の音源が売れてる光景を見てそう思った。
本音を言えば、東京ならそれなりに自信があるけど、東京を離れてイベントやるのは怖いよ。
どうせやるなら東京以上に尖った内容にしてやろうって思うから余計に怖い。
次に熊谷に行けるのはいつになるかな。
モルタルは2Fのイベントスペースを残して今後はWEBショップに移行するらしい。
何でもいいよ。山崎君の好きな様にすればいい。やりたくなったらお店もまたやればいい。
帰り道にふと思ったんだ。
ただでさえあの頃より寂しくなったのにモルタルなくなったら今後どうなるんだって。
心配してるのはモルタルの事じゃないのかも。
俺達は俺達で、理由が見つかった時にまた行きます。
アングラなバンドだけど面白い事は出来るんで。
来てくれた人ありがとね。ライブが終わったら全員もれなく酒で真っ赤な顔してて面白かったよ。
俺もそうだしみんなもきっとそうだろうな。
結局、もしモルタルって場所がなかったら、熊谷に行く事なんてなかった筈なんだ。
追伸
幸子はほうとうも旨いけどチャンポンも旨い。
他のテーブルにも出さなきゃいけなくなるからって最初は断られたんだけど、山崎君にこっそり頼んで貰ったら作ってくれた。
食べたい人はなるべく少人数で行くといいよ。
居酒屋 幸子
埼玉県熊谷市星川1-16