まさかこのタイトルでブログを書く日が来るなんて思ってもみなかった。

17年振りにSTARMARKETが来日する。そして17年振りに共演する事になった。

8/15に再結成のニュースが流れて、居ても立っても居られずに、前回の来日に関わった、知ってる限りの仲間から連絡先を集めて、彼等の全ての連絡先にメールを送った。

程なくして、ボーカルのフレドリックから返信が来た。

『日本に親しい友人がいるから彼に連絡を取ってみて欲しい』。

友人とはex. OCEANLANEで、今はThe Coastguardsでボーカルをしてる武居創君だった。面識は当然あった。

創君に連絡を取って、彼等に希望の日程を確認して、すぐにライブハウスの予定を押さえた。合わせて告知に使う画像をデザインしてくれるデザイナーに連絡した。彼も当時からSTARMARKETを愛する仲間の一人。

ライブハウスとサポートするバンドの調整をするとして、ビザの手配とか、移動、宿泊等、実際の運営をどうしようって話になって、The Velvet Teenの来日の時に世話になったTHISTIMEの事がすぐに頭に浮かんだ。DIYでツアーを行う事も考えたけど、ツアーのプロに任せるのがベストだと思った。絶対に実現させなきゃならないし、何より大好きな彼等に不便な思いはさせたくない。

THISTIMEなら信頼出来る。聞けば社長の藤澤さんは当時、初来日のクアトロのライブを観てたらしい。点と点が線になった。

サポートするバンドについて、欲をいえばATATAで全箇所帯同したかったけど、きっと俺と同じくらい共演したいバンドがいる筈で、当時一緒に共演した仲間、共演したくても出来なかった仲間、フロアで観てた人、そして当時を知らない若い世代。

限りある共演者の枠を独り占めしてしまうのは、正しい選択ではないと思った。あの時、俺を出してくれたSMASHの担当の人みたいに、今度は俺がそれをする番だと思った。

どのバンドもスターマーケット好きを公言してる。俺と一緒で好きでしょうがないみたいだ。『来日するそのバンドを愛するバンド達がサポートする』。その環境は整えられたんじゃないかなって。

バンドとしては帯同出来ないけど、ツアーの期間中は有給を使って全箇所運転しながらローディーを買って出ようと思ってる。20年以上、彼等の音楽に世話になった。年齢的に考えてこれが最後のご奉公かも知れない。ご褒美に最終日の枠を貰って、メンバーには頭を下げて半日の有休を取って貰った。

これでもう俺に何かあっても大丈夫。STARMARKETの17年振りの再来日は必ず行われる。そこまでは積み上げられた。何より散らばっていたSTARMARKETを愛する人達、その全員を繋げる事が出来た。

後はスウェーデンにいる彼等の代わりに出来る限り宣伝をするだけ。ツアーはTHISTIMEが滞りなく運営してくれるだろうし、ライブはサポートしてくれる各地のバンドが熱意と愛情を持って盛り上げてくれるだろうし、彼等の精神的なケアは創君がしてくれるだろうし、もう何も心配ない。きっといいツアーになる。

もし俺に何かあったら1/22は誰か代わりに歌って下さい。出来たらファビュラスでグッドルッキングなボーカリストがいいです。

最後に。2005年にBAD NEWS RECORDSから発売された『ABANDON TIME』の日本盤のライナーノーツを書かせて貰ったので、それを原文のまま貼って終わります。

ライナーには明記しなかったけど、『真夜中のライブハウス』って今はなき渋谷GIG-ANTICで、誰かが主催したDJイベントだった。まるで稲妻に打たれたみたいにその場から動けなくなって、気が付いたらDJに駆け寄って曲名とバンド名とアルバム名を教えて貰った。翌日、ディスクユニオンに駆け込んで、真っ白いファーストアルバムと出会ったんだった。

読み返すと勢いだけの稚拙な文章だけど、俺の気持ちはここに全て書いてある。本当にこれが全て。

12/15に本国スウェーデンで再結成して、日本に来る事までは決まったけど、その先の予定はまだ具体的に決めてないらしい。

あわよくば、今回の再来日が良いものとなって、いつかの近い将来に彼等の新しいアルバムが聴けたらいいなって、そんな風に思ってる。

毎朝、起きては頬をつねってるんだけど、どうやらこれは正夢みたいだ。

音楽を、バンドを、続けて来て良かったと思う。

STARMARKETのライブをもう一度日本で観たいっていう一心で、前回と同じく、また出しゃばってしゃしゃり出てしまった。

図々しいなと自分でも思う。

まさかこんな未来が来るなんて、思ってもみなかった。

俺はSTARMARKETを愛してるんだ。

一生を付き合えるバンドに、僕等は幾つ出会えるのだろうか?
~STARMARKET初来日に関われた、ある幸運な人間の一例~


初めてSTARMARKETを知ったあの日、真夜中のライブハウスで突如鳴り響いた[YOUR STYLE]。
今振り返れば、確かに宣伝文句の通り、DINOSAUR Jr.を彷彿させるバンドだと思った。でも明らかに違ったのはそのエッジ感。鋭角なリズムとハーモニー、そしてメロディック過ぎたギターサウンド!!!
僕が彼等に夢中になるのに時間なんて要らなかった。僕はブースに駆け寄り、そして詰め寄る。そのバンドの名前がファーストアルバム、[STARMARKET]を出したばかりの彼等だと知った。それからというもの、現在に至るまで。僕はSTARMARKETに恋焦がれたまま、彼等みたいなバンドになりたいと、今でもそう思っているのだ-。

それからというもの、彼等に関わるレコードその全てが僕の宝物になった。勿論遠くスウェーデンのバンドだから、なかなか音源も手に入り難い。[CALENDAR]を手に入れた時の嬉しさっていったらもう!!!ファーストの世界を更に押し進めたかの様な攻撃的なサウンド。内政的な歌詞も合わせて、「このバンドは僕の為に歌っている」と本気で思っていた。[SUNDAY’S WORST ENEMY]の殺伐とした世界感も、その頃の僕の閉鎖された感情と相まって心底震えた。極寒の地のバンドが遠く離れた、この日本のいち地方都市の僕をこんなにも夢中にさせる。一体なんてことだ!!!

[FOUR HOURS LIGHT]が発売された頃、それまで”僕だけの”バンドだった筈の彼等が徐々に注目され始めた。一時は初来日するなんて噂も聞こえたが、一介の名も無きバンドの一員の僕にとって、好きなバンドと共演するなんて夢のまた夢、我は地団駄を踏むばかり。その時の気持ちを正直に告白すれば、「もっと頑張るから今はまだ来日してくれるな!!!」だった。
願いがすべて叶う訳じゃない。僕はその頃発売された自分のバンドのファーストシングルの歌詞の中にに[MIDNIGHT CALLER]というフレーズを忍び込ませた。そう、いつの日か競演出来る日を夢見ながら…

そして[SONG OF SONGS]が発売された頃、僕はある暴挙に出る。
彼等の初来日が正式に決まり、いてもたってもいられなかった僕は彼等の来日に関わる全ての関係各所に片っ端から電話を掛ける。「共演させて下さい!!!」、もうなりふりかまってなどいられなかった。

僕の熱意が通じたのか、それともむこうが根負けしたのか、とにかく記念すべきSTARMARKETの初来日の前座に僕等が決まった(またそれは今日までのバンド活動の中で僕が最も高揚した瞬間でもだった)。また僕と同じくSTARMARKETにうなされた一人、久保田氏率いるPOPCATCHERも無事前座に抜擢された。”来日するそのバンドを愛するバンド達がサポートする”、この当たり前の前提がこれで成立した。役者は揃ったのである。

余談になるが、前座に決まっておきながらも僕と久保田氏は二人、バンドのおっかけよろしく彼等の全公演についてまわった。時には翌日本番なのに長距離バスに乗って大阪まで観に行ってみたり。今となっては全てがいい思い出だが、「次は無いかも!!!」の心理に熱狂的なファンは勝てないものである。

STARMARKETに夢中になってかれこれ7年が経っていた。気付いたら同じステージで演奏していた!!!初めて会ったボーカルのFredrikは190cm弱もある大男だった。またあれほど聴き込んだ[YOUR STYLE]が実はベースのPatrikが歌っていた事にも驚いた。もう演奏の出来不出来なんてどうでもよかった。7年もの間、僕の人生の大半のBGMを担っていたバンドが、曲を、今僕の目の前で、直に演奏しているのである。これほどの幸福が他にあろうか!!!

震えながら手渡した自分のバンドのTシャツが、翌日の最終公演でドラムのPontusの体に纏われている。「これで死んでも悔いは無し!!!」。本当にそう思った。それ以来、幾つかの来日したバンドの前座に出させて頂いたが、未だこの至福の瞬間を越えられていないというのが率直な心境だ。
そういえばこの来日の際、言葉もおぼろげなままメンバーと会話する機会を与えられたのだが、外見にも似合わずボーカルのFredrik含むメンバーは本当にシャイで穏やかな青年達だった。ファンを大事にするが、ライブ後の打ち上げなど、極端に騒ぐ事を避ける。そんな実直な一面も見れて、僕はいっそう彼等の事が好きになった。またそんな彼等だからこそ、こんなにも感動的な曲が作れるのだとも思えた。

そしてあれから約3年、やっと彼等から新譜が届いた。この長過ぎた空白の時間にFredrikとPontusはTHE CRYSTAL COMMITTEEというサイドプロジェクト(こちらも是非とも聴いて頂きたい。ファンならば!!!)を活動させた。「だけど一体いつになったらSTARMARKETの新譜が聴けるんだ!?」とやきもきしたのは僕だけじゃない筈。この[ABANDON TIME]の本国発売のニュースを聞いた時にはまさに飛び上がって喜んだ。そして日本盤発売の知らせ。空白の時間を埋める様に、また僕等の心にふつふつと期待が高まる。終わっちゃいない、また始まるんだ!!!

今回、このアルバムの音の内容について、僕からの案内は特にありませんので失礼ながらあしからず。それはSTARMARKETを本当の意味で日本に紹介してくれた立役者である、菅原氏にお任せます。僕に言えるのはただ一言。”過去、あれだけの名曲を生んだ彼等のニューアルバムです。今回も僕の心を掴んで離しません”ってこと。素敵なバンドというのは、やっぱりバンド名からして素敵なのですね。STARMARKET=星市場。未来永劫愛してます!!!

以上、全てが個人的な主観、及び思い出話に終始してしまいました(笑)。今回のアルバムからSTARMARKETのファンになった方々へ向け、この思い出話を贈ります。

奈部川光義(BANDWAGON)


THISTIME PRESENTS
[STARMARKET JAPAN TOUR 2019]


1/19 (Sat) Osaka Pangea
w/ FOR A REASON, RENA
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV ¥3,800 / DAY ¥4,300 (w/1DRINK)

1/20 (Sun) Nagoya R.A.D
w/ MIRROR, The Coastguards
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV ¥3,800 / DAY ¥4,300 (w/1DRINK)

1/21 (Mon) Tokyo FEVER
w/ The Firewood Project, kuh
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV ¥3,800 / DAY ¥4,300 (w/1DRINK)

1/22 (Tue) Tokyo FEVER
w/ ATATA
OPEN 19:00 / START 19:30
ADV ¥3,800 / DAY ¥4,300 (w/1DRINK)

ぴあ / ローソン / e+ / LINE TICKETにて発売中

Supported By TOY GUN RECORDS
Total Information:THISTIME 03-6805-2269